『伊那谷Style』No,4 外皮性能と現場での施工

中川村・南駒ヶ岳を望む家 続編です。

屋根面と外壁と開口部の仕様は近年、断熱気密性能の要求と共にそれに伴う壁体内結露防止に設計エネルギーと実際の建設コストを大きく注ぐ事になってきました。きちんとこの外皮性能を高める事でローコストで快適な室内環境が実現します。

但し、このような科学的見地での家づくりは社会的には高まっていますが、文化的・芸術的な家づくりはむしろ退化しているんじゃないかと最近言われ始めました。この辺りは設計者はいつも意識していないと、ワンフレーズで性能のみをPRしていくメーカーハウスと変わりません。この辺りはこの家の完成を楽しみにして下さいね。

さて、この家の仕様は屋根厚240グラスウール32Kg/m3、外壁厚175高性能グラスウール16Kg/m3、基礎断熱仕様と、南信地方としては十二分の仕様です。吹抜も高いのでこれくらいの内容としないと体感的に有り難みが感じられません。

特に今回は外壁耐力壁を室内側として気密層と兼用しています。結露計算も透湿抵抗が内側から外側に向けて1対7となり、壁体内結露も安全側です。気密シート施工は透湿抵抗が高すぎて気密シートに頼るのは非常にシビアな施工が求められますが、南信地方の気密施工に対する各職種の対応のレベルを考えると、耐力壁室内側施工は大きなメリットがあります。

また、開口部は樹脂サッシュ+Low-eガラス空気層16ミリ、サッシュ周囲は結露が廻らないように気密シート先張り施工しています。

今後もこの家の検証を続けていきます。