特集 つくるキッチン
つくるキッチンと言っても、1,大手製作キッチンメーカー 2,地元の家具屋さん製作 3,大工さんの造作仕事で手づくり の様々あります。精度や納まりを高度にするには1・2のタイプになりますが、言わば一品生産のキッチンでもあり既成のシステムキッチンより値段は高くなります。(一般的に・・・)
私たちが進めている“つくるキッチン”は3番の大工さんの造作仕事での手づくりキッチン。安価で精度はあまり高くありませんが、様々な収納パーツを工夫してご家族にとって最良のキッチンを提案します。生成りの木綿のように毎日つかうモノだから扉なんて必要無いけど使いやすくて、食器や食材にもこだわりたい。
そんな住まい方にはぴったりのキッチンだと思っています。
松尾AさんのOMソーラーの家
流し台に立つと正面が居間、横方向にダイニング。台所目線は居間に向かい、家事動線は横方向につながる。流し台手前は立ち上がりを設け、居間から流し手元は見えない。ガス台部分は壁で囲った。
ステンレス流し一体加工の天板はバイブレーション加工の製作品。流し本体は収納パーツを使用した大工さんの手づくり。
背面の収納部分も全て大工さんの手仕事。引き出しは阿智村の木工作家水上さんに頼んだ『いろいろな広葉樹のチェスト』をはめ込んでいる。世界に一つしか無いオリジナル手作りキッチンです。
名護熊 SさんのOMソーラーの家
流し台と食卓が連続する家族全体で家事参加できる台所、食堂。薪ストーブで暖房と共に冬場のお料理にも活躍する。流し台はステンレス流し一体カウンターを使用した大工さん手作り。様々な収納パーツをチョイスして、使いやすいオリジナルキッチンが出来た。水周りに木質材料を使うために、塗装や適材適所の材料の選択に気を遣う。
大瀬木 Aさんの家
半島型の流し台。棚等は隠したい要望でオープンな部分を最小とした。流し台の下部はゴミ置き場としてリビング方向からはゴミ置き場は見えない工夫をいつもしている。流し前に立ち上がりが無いアイランドキッチン。スッキリとした納まりの流し台になりました。
上郷 Hさんの家
北欧にも在住経験のあるご家族の為の、センターキッチン(作業台)のある台所。外国のホームドラマで良く目にするキッチンです。食堂とは空間を分けて落ち着きを確保しています。
メインキッチンはクリナップのSSを窓向きに配置。窓からは伊那谷の雄大な景色が広がる。センターキッチンを手づくり流し台とした。天板は人造大理石コーリアンのカメオホワイト。一見して大工さんの製作流し台には見えない。
製作流し台の設計図
このようなキッチンを製作する為には詳細な図面が必要になる。さまざまな作業をする台所を家族と一緒に一からデザインして図面に落とし込む。現在家づくりはますますユニット化に進んでいます。ユニットバス、システムキッチンはもちろん、構造や平面計画までプロトタイプが進んでいますが、これは家族の為か、作り手の利益確保の手段なのかは玉石混淆の様な気がしています。毎日使うキッチンだからこそ、手作りのオリジナルキッチンにこだわりたい。