『伊那谷Style』No,15 木造としての構造と家づくり

鼎下山 Nさん(美容院併用住宅)三世代の家 

平成8年独立以来、地域材の家づくりを進めてきたが、最近まで地域材を使用し梁組現しの架構はほとんど大工さんの手加工によっていた。あらかじめ機械によって決まっている仕様に設計を合わせていく本来の構造デザインとは言えない方法では、地域材の家づくりは出来ない状態が続いていた。

最近は各地のプレカット工場でも新しい機械を導入し、今まで機械加工では出来なかった継ぎ手や仕口(追っかけ大栓継ぎ手、台持ち継ぎ手、登り梁の大入れアリ落とし、柱の長ほぞ 等)がほとんど機械加工で出来る様になり、数年前までは考えられないほどプレカットが進化した。

当事務所でも架構デザインを見直し、基本的にプレカットでほぼ100%対応できる健全で美しい骨組みの架構方法を統一した。これは近年法律で要求されている耐震性や断熱気密性を余裕で越える仕様として現在進めている。(建築基準法に対して、耐震性及び断熱性はそれぞれ1,5倍程度。)