環境デザイン(敷地と配置計画)  『伊那谷Style』No,29

その場所の周囲の環境、敷地自体の環境、太陽の向き(方位)や通風、眺望、道路の騒音、将来の地域の発展、災害の履歴等。

これからつくる家自体の環境性能もさることながら、周りの要因のような自分では変えることが出来ない状況に対して、きちんと対処したプランを想像していく事も“環境デザイン”と呼びたい。最近の高性能を謳う住宅は全国何処へ行っても同じような外観で、この点が全く出来ていない。

画像最初の三枚は、敷地の辺ではなく真南に建物を振った配置計画。三角に余った四ヶ所のスペースには(駐車、玄関アプローチ、植栽の庭、家庭菜園、薪置き場)用途に区分された使いやすい外部空間が生まれた。敷地の辺に正対すれば年中南側の家の裏側を見る生活だった筈が、真南に振る事で遠くの南アルプスを望める家になりました。

四枚目の画像は東側の一段高い隣地に、総二階の家が先に立っていた状況。普通に南面した家とすれば南側の主庭は隣の視線が気になって使えない庭になったでしょう。そこでトイレや洗面脱衣等の水周りを南側に突きだし、建物本体で隣地からの視線をカット。南向きの明るい水周りと、建物に囲まれた落ち着いた中庭が生まれました。